石垣りん

ブログを読んだよ・・という方から
詩集を出してます・・というメールをいただきました。
今はあまり読むことがなくなりましたが・・
昔は詩も好きでよく読んでいました。

私の好きな詩人の一人に石垣りんとう作家がいます。
彼女の詩のなかで・・一番好きな詩を紹介します。


　　　　表札

自分の住むところには
自分で表札を出すにかぎる。

自分の寝泊りする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない。

病院へ入院したら
病室の名札には石垣りん様と
様が付いた。

旅館に泊まっても
部屋の外に名前はでないが
やがて焼場のかまに入ると
とじた扉の上に
石垣りん殿と名札が下がるだろう
そのとき私がこばめるか？

様も
殿も
付いてはいけない、

自分の住む所には
自分の手で表札をかけるに限る。

精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない

石垣りん
それでよい。